●小・中学生のみなさんへ

 ここでは、みなさんと一緒に環境問題について考えてみたいと思います。

 みなさんは「がん」という病気をご存知ですか。

 人間の体は60兆個という大変たくさんの数の細胞が集まって出来ていますが、このがんという病気になると「がん細胞」という悪い細胞が体に出来るのです。

 しかしこのがん細胞は、はじめから悪い細胞だったのではなく、もとは自分のからだの健康で正しい細胞だったのです。

 ところがその健康で正しかった細胞が突然自分勝手なことを始める「がん細胞」に変わってしまい、そのがん細胞は自分たちが発展するために、どんどん仲間を増やしていきます。

 悪い仲間が増えていくのを何もせずにほっておくと、自分勝手ながん細胞のためにいずれは体全体が死んでしまうので、体の一部であるがん細胞も一緒に死んでしまいます。

 つまり、全体のことを考えずに、自分勝手なことを続けると、最後にはそれが必ず自分に帰ってくるということです。

 自分で自分をを殺すことになってしまうのに、一生懸命に仲間を増やし、自分勝手なことを続ける「がん細胞」はとても不思議ですね。

 ところが、私たち人間は今、このがん細胞と同じことを続けていると言ったら、みなさんは驚くでしょうか。

 私たち人間は、この何百年かの間に地球という全体の一部であることを忘れて自分たちの発展のためだけに様々なことをやってきました。

 その結果、全体である地球の環境はどんどん悪くなって、今では微生物といわれる小さな生き物から含めると、一年間に何万種類もの生き物が絶滅しています。これは自然なスピードの1000倍の早さです。つまり今の人間は1年で1000年分の生き物を絶滅させているのです。

 このまま進んでいくと、2050年ころまでには人間はこの地球に住めなくなることが、国連の研究で発表されています。
 これが環境会議などで「人間は地球のがん細胞になってしまったか?」というテーマがしばしば議論される理由です。

 人間は地球の一部でもあり、ひとりの人間としての全体でもあります。

 またその全体(地球と人間)の中で、自分勝手なことをするもの(人間、がん細胞)が増えたために全体である地球と人間は同じように死にそうになっているのです。

このように、小さな事と大きな事が、同じ仕組み・同じ形をしていて、自分の内側にそれぞれを持っていることをフラクタルといいます。(ちょっと難しいですね)

 このフラクタルというものの見かたの良いところは、小さな分かりやすい事を例にして、大きくて分かりにくい事を考えることで、正しく判断をすることが出来るところです。

 また反対に、大きくて重要な事を例にして、小さくて取るに足らないように思える事を考えることで、その小さなことがとても大切であると気付く事が出来るところです。

 そして、そのどの部分にも自分が含まれていることから、「まず自分が変わるということが、全体にとってとても大切である。」と気づくことが出来るのも素晴らしいところです。

 わたくしたちも、がん細胞の話を教訓にして、自分の事ばかりではなく「全体」のことを考えるようにしなくてはなりませんね。

 大人たちもそのことに気がつき、リサイクルの推進や環境を考えた生活、環境教育など全体について考えることを、様々な分野で真剣にはじめています。

 その大人たちの一員として私たち名古屋建設業協会も様々な活動をしていますが、ある中学校での運動場の工事と「環境や全体ということ」の関係について、中学生の皆さんに説明したときの様子を次頁でご紹介しています。

●フラクタルとは

1975年マンデルブロ(Mandelbrot)が「砕けた石」という意味のラテン語から命名した。
フラクタルの特徴として 「大域構造が局所構造そのものである」というのがあります。
これを「自己相似性」といいます。
小さな部分を拡大しても、もとの大きな全体と同じ形、ということです。
下の図を見てください。
下の図の同じ色の○は同じ部分を拡大しています。
とても小さな部分の赤い色の○の中心にある黄色の○部分を拡大すると、もとの緑色の○部分と同じ形をしています。これを無限に小さく繰り返していくことができます。


ここではとても簡単に紹介していますが、皆さんもいろいろと調べてみてください。